塗装とは対象物の表面を「塗料」の膜で覆うことで、外的要因から保護する表面処理の1つ。
金属は高い強度と加工の容易さから多種多様な製品・構造物の材料として利用されています。
しかし、多くの金属は空気中の酸素や水分などと反応して錆(サビ)てしまい、その強度と外観は著しく低下します。
そのように錆びてしまった金属は強度の低下によって「構造物の安全性が確保できない」、「製品の役割を果たせない」などの問題が生じます。
金属を保護するために考えられたのが「塗装」です。
金属表面を塗料でコーティングすることで酸素や水分の侵入を防ぎ、防食性や耐候性を高めることができます。
塗料が硬化した「塗膜」によって対象物は保護されると同時に美しく仕上がります。
金属の塗装方法
金属塗装は大きく4つの種類に分けられます。
溶剤塗装
最もスタンダードな金属塗装の方法となります。
シンナーなどの有機溶剤を使用し、顔料や樹脂を溶かした溶剤塗料を塗装する方法です。
塗装後は時間経過によって塗料の硬化を待つ「自然乾燥」、60℃~80℃の低温域で熱を加えて塗料を短時間で硬化させる「焼付乾燥」があります。
塗料の種類が豊富にあるので様々な特性や色を選ぶことが可能なので、どんな要望にも柔軟に対応できる汎用性が最大のメリットです。
どんな形状・製品でも塗装可能なため車両、建築、工業製品、大型構造物など幅広い分野で採用されている塗装方法です。
デメリットとしては、まず溶剤塗料を均一な塗膜で美しく仕上げるためには、塗装作業者に高い技術が求められる点が挙げられます。
また、塗料に揮発しやすい溶剤が含まれているので、環境への影響や作業者の健康面への配慮が必要であり、適切な管理と対策が欠かせません。
焼付塗装
高温に加熱することで硬化する専用塗料を使用した塗装方法です。
塗装後は乾燥炉で100℃~200℃以上に加熱することで、強固で密着性の高い塗膜となります。
塗料を焼き付ける事で硬化させているので溶剤塗装を比較し、表面にキズが付きにくい硬度の高い塗膜がメリットです。
自動車部品、工業部品、看板、家具や内装部品など手に触れる事の多い分野などで広く利用されている塗装方法となります。
一方で、高温での加熱が必要となるため熱に弱い素材や熱が伝わりにくい厚みのある製品は塗装が難しい場合があります。
また一般的に塗膜厚が薄くなる傾向があり、耐候性がやや劣る点もデメリットとして挙げられます。
粉体塗装
粉末状の塗料を使用した塗装方法です。
塗装対象物に付着した粉体塗料を加熱・溶解することで強固で分厚い塗膜を形成します。
加熱することで硬化させるため焼付塗装の一種ですが、塗料が粉末状/液体状によって一般的に区別されています。
粉体塗料には揮発性の溶剤を含んでないため環境負担が少なく回収・再利用が可能、一般的な焼付塗装より厚い塗膜を形成できる点がメリットとなります。
塗料が回収・再利用が可能なため自動・機械化し家電製品、自動車部品、金属家具、産業機械などライン生産されるような分野で広く採用されています。
しかし焼付塗装同様に熱に弱い素材や熱が伝わりにくい厚みのある製品は塗装が難しい、細かい塗装色の調整が出来ないなどのデメリットがあります。
電着塗装
プールのような槽に液体塗料を溜め、そこに漬けることで塗装する方法です。
電気を流すことで、塗料を密着させています。
塗装後は加熱する事で強固な塗膜を形成します。
対象物を直接塗料に漬けて塗装を行うため、複雑な形状でも技術不要で均一な仕上がりにすることが可能です。
また電気を調整することで、均一に塗膜厚を調整できる点がメリットとなります。
設備が大型となるので基本的に自動化されており車両、金属家具、産業機械などライン生産されるような分野で広く採用されています。
しかし色や塗料を変更する場合には槽の中にある全ての塗料を変える必要があり、導電性がないものや一度塗装したものは再び塗装することができないなどのデメリットがあります。
塗料は物質へ塗装し、表面に強固な塗膜を形成する事で「保護」「美装」「機能の付与」
3つの効果をもたらします。
私たちの身の回りにあるほとんどの製品はこの塗料によって様々な色彩に彩られています。
しかし塗料はただ色を付けて、綺麗に見せるだけではありません。
塗料の目的は大きく分けて3つあります。
- 表面を強固な塗料で覆い、保護する。
- 色彩や質感などを付与し、美しくする。
- 断熱や耐熱など様々な機能性を付与する。
本記事ではそんな塗料についての基礎知識、塗料の種類や耐久性について詳しく紹介しています。
塗装のことをもっと知りたい方は、こちらのページもぜひご覧ください。
原田鉄工の塗装設備
第一塗装工場

31m × 15m 床面積465㎡
第二塗装工場
15m × 13m 床面積195㎡
素地調整後は健全な下地を保護するために速やかな塗装が必要です。
一般的に素地調整~塗装までの推奨時間は4時間以内とされています。
原田鉄工ではブラスト・塗装を一体化した工場となりますので素地調整完了後、即座に塗装工程へ移行できる体制を整えています。
完璧な下地に適切な塗装を施すことにより5年後、10年後の製品状態に大きな差を生み出します。
完璧な下地に適切な塗装を施すことにより5年後、10年後の製品状態に大きな差を生み出します。
また最新型の膜厚計、湿度計などの検査器具を完備しておりますので、膜厚・環境を厳密に管理しながら施工いたします。
適切な塗装環境にて均一な塗膜を形成することで、耐久性と仕上がりを高い次元で両立させることが可能です。
塗装実績
県内外の多種多様なお取引先との実績があり、一般錆止め塗料からエポキシ・ウレタン・フッ素樹脂塗料などの汎用塗装はもちろん、超厚膜型やガラスフレーク塗料など300μmを超える特殊塗装にも対応可能です。
社内では溶剤塗装のみでの対応となりますが、信頼するパートナー会社との連携により焼付塗装、粉体塗装、電着塗装にも対応しております。
磨き上げた職人の技術によって、製品に優れた耐久性と美しい仕上がりを実現します。
スプレーガンやエアレス塗装機を多数保有しておりますので、短納期のご依頼にも柔軟に対応いたします。
合計床面積650㎡以上もの広大な塗装スペースを有し、大型製品から小ロット多品種まで幅広く対応可能です。









