重防食塗装とは?一般塗装との違いや耐用年数を延ばすブラスト処理の重要性

目次
重防食塗装とは?
| 比較項目 | 一般塗装 | 重防食塗装 |
|---|---|---|
| 素地調整(下地作り) | 手工具 (ワイヤーブラシ等) | ブラスト処理 (Sa 2.5以上) |
| 塗膜の厚み(膜厚) | 約 50 ~ 100 μm | 約 250 ~ 1,000 μm 以上 |
| 塗料の設計 | 美観・防水メイン (1~2層) | 多層構造システム (3~5層以上) |
| 期待耐用年数 | 約 3 ~ 10 年 | 約 20 ~ 30 年以上 |
| 主な対象物 | 一般建築物・工作物 | 橋梁・プラント構造物 |
一般塗装と重防食塗装の決定的な違い
- 素地調整のグレード
- 膜厚(塗装の厚み)
- 塗料の設計
寿命を大きく左右する「下地作り(素地調整)」のグレード差
▶ 関連記事:さらに詳しく「ブラスト加工の重要性と当社の設備技術」
重防食塗装の寿命を最大化させるために不可欠なブラスト処理。
サビや黒皮を根こそぎ除去するメカニズムや、大型構造物にも均一な品質を提供する原田鉄工の強み・施工設備については、こちらの解説ページで詳しくご紹介しています。
一般塗装の5~10倍!重防食塗装の「圧倒的な膜厚」
▶ 関連記事:あわせて読みたい「鉄に現れるイヤな錆|発生の原因と予防策」
鋼構造物の「美観」や「強度」を損なうサビは、放置すると重大なリスクに繋がります。
鉄が錆びるメカニズムや、知っておくべきサビの種類・対策を詳しく解説しています。
様々な種類の塗料を塗り重ね「多層構造」の差
- 防食下地
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
これら各種防錆塗料の具体的な特徴、環境に応じた使い分けのポイントについては亜鉛末塗料のリーディングカンパニーである日新インダストリー株式会社様の解説コラムにて、非常に分かりやすく紹介されています。
重防食塗装で重要となる「素地調整」と「塗装管理」
国際規格に適合した素地調整の管理
▶ 関連記事:さらに詳しく「ブラスト規格と素地調整・下地処理の解説|ISO・SSPC・ケレン比較」
防食塗装の品質を左右する下地処理基準。国内のケレン区分(1種〜4種)をはじめ、世界基準であるISO(Sa)や米国SSPC、SPといった国際的なブラスト清浄度規格との比較について、実務に役立つ違いを詳しく解説しています。
> ブラスト規格の比較や素地調整・下地処理について詳しく見るアンカーパターン(表面粗さ)の管理
だからこそ、粗さは「ただザラザラにすれば良い」という感覚的な作業ではなく比較板(コンパレータ)による評価、レプリカテープ法(ISO 8503)を用いたミクロ単位の実測など客観的なデータによって基準値内に収まっていることを徹底して管理する体制が不可欠となります。
▶ 関連記事:あわせて読みたい「ブラスト後の加工粗さ(アンカーパターン)について」
表面粗さが与える影響、様々な表面粗さのパラメーター「Ra」「Rz」「Rz JIS」についての算出方法などを詳しく解説。
原田鉄工が実際にブラスト加工した場合の表面粗さも紹介しています。
表面粗さについての技術的な詳細はこちらをご覧ください。
塗装環境の管理
塗装膜厚の管理
膜厚が指定された設計値よりも薄すぎる場合、
こうした膜厚のバラつきを客観的に合否判定するため、重防食仕様書では「80-20ルール(SSPC-PA2等)」や「90-10ルール(ISO 19840等)」といった統計的な数値基準が採用されています。
例えば国内外の重防食案件でも多く指定されるSSPC-PA2(80-20ルール)では「全体の平均値が設計膜厚の80%以上(仕様により上限120%〜150%以内)」および「どんなに局所的な単一の測定点であっても、設計膜厚の80%を下回るものは認められない」という非常に厳しい縛りがあります。
膜厚管理は職人の勘に頼る施工ではなく、適切に校正された電磁式・渦電流式膜厚計を用いて鋼構造物の各部をくまなく計測し、データとして仕様を満たしているかを厳密にジャッジする「数値の証明」が不可欠な世界です。
原田鉄工の重防食塗装について
国際基準に準拠した最新の検査器
- 未乾燥状態塗料のwet膜厚を測定するウェットゲージ
- 乾燥膜厚を高精度で測定可能な電磁式膜厚計
- 気温や相対湿度、表面温度、露点など全てを測定できる結露計
- ブラスト後の表面粗さを正確に測定するレプリカテープとシックネスゲージ
- 目視比較用の表面粗さ比較板(コンパレータ)
- 塗装前となる表面の洗浄度を測定するダストテープ
- 目に見えない塩分による早期剥離や発錆を防ぐためのブレスルキット(残留塩分濃度測定器)
塗装検査表の作成とデータ保管
- 施工日時:日付、時間
- 施工時の環境状況:天候、気温、湿度、露点、表面温度
- 素地調整:圧縮空気品質、表面粗さ、表面清浄度、塩化物および塩分溶解度、目視評価
- 塗装:塗装方法、塗装方法、Wetおよび乾燥膜厚、目視評価、MEKラブテスト(硬化度試験)
- 塗料:使用塗料、メーカー、混合比率、希釈率、製造番号(ロット No.)、塗装色
塗装環境への対応
塗装環境の限界をデータで判断し、最適な条件下でのみ施工を行う。
まとめ|重防食塗装の驚異的な耐用年数を支えるもの
本ページでは過酷な環境から鋼構造物を守る「重防食塗装」において、耐用年数を延ばすためのブラスト処理の重要性や徹底した管理体制について解説してきました。
重防食塗装において適切なブラスト処理によってサビや不純物を完全に除去すること。
理想的なアンカーパターンを形成すること。
厳格な塗装環境基準を遵守すること。
マイクロメートル単位(μm)の膜厚管理を行うこと。
これらを徹底して行うことで、塗膜が鋼材表面に寸分の隙もなくガッチリと密着し、水分や腐食因子の進入を極限まで遮断し続ける。
そのため重防食塗装は他の塗装を圧倒する優れた耐用年数を有しているのです。
正しい知識と国際水準を満たす厳格なデータ管理。この両輪が揃うことこそが、インフラや大型プラントの未来を守る重防食塗装の本質です。
塗料に関するよくある質問
- 図面(寸法や重量などが記載されたもの)
- 塗装仕様書(塗料メーカーや塗料、指定膜厚が記載されたもの)
- 数量
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創業より80年間、海上・海中といった厳しい環境下にも耐える重防食塗装を専門としてきました。
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用語解説
- 塩害(英語:Salt damage)
塩害(えんがい)は海水や潮風、空気中や土壌に含まれる塩分が原因となり、金属・コンクリート構造物などのインフラや建築物に生じる被害の総称。
塩分によって金属は腐食が促進され、急速に劣化していきます。
- 腐食(腐蝕 英語:Corrosion)
科学的または電気的に使用環境の中で表面から変化することで、外観や機能が損なわれる。
腐食が進行していくことで厚さが減少する、孔が開くなどの現象が発生します。
- ミルスケール(英語:Mil scale)
黒皮とも呼ばれ、鋼材を製造する際に出来る表面の酸化被膜です。
熱間圧延という製造方法では金属を高温に熱し形成するため、大気中の酸素と結合する事で黒皮になります。
塗装を施す場合でも黒皮は密着性が悪いので、除去することが一般的です。
- ブラスト(ショットブラスト/グリッドブラスト/サンドブラスト/1種ケレン 英語:Blast)
高圧で圧縮した空気を研削材と呼ばれる粒と一緒に噴射し、製品に衝突させることで表面のサビ、黒皮、汚れ、塗装などを除去します。
- 耐候性(英語:Weather resistance)
屋外の太陽光(紫外線)、雨風、温度変化などにさらされた際、変色や劣化に耐えうる性質です。
- 防食(Anticorrosion)
金属材料の腐食を止める又は腐食速度を遅らせるために行う処理。
耐食・防食・防錆と似たような言葉がありますが、耐食は金属の素材自体が腐食に耐える性能。防食・防錆は金属の腐食を防ぐ事。
上記のような意味合いで使われることが多いです。
- 結露(英語:Condensation)
結露(けつろ)とは空気中の水蒸気(気体)が冷たい物体の表面で水滴となり付着する現象。
暖かい空気が急激に冷やされることで発生します。
- 校正(英語:Calibration)
測定器が示す値と国家基準に繋がる正確な「基準値」を比較し、測定器の正確さ(誤差の範囲)を確認する検査のこと。
必要に応じてズレを直す「調整」の作業とセットで行われます。





















